
Double Eyelid Surgery
二重の手術
二重の手術
一重の瞼を二重にする手術を重瞼術といいます。糸だけでとめる切開しない方法(埋没法)と、切開して確実に固定する方法(切開法)があります。糸だけでとめる方法はあくまでも仮どめになりますので、すぐ取れてきてまた一重にもどる確率が高い欠点があります。私たちはよりよい結果を、長続きする方法で提供したいと考えていますので、埋没法は行っていません。
私たちの方法は切開法の中でも、全切開法という切開線の長さが2.5cmくらいのものです。非常に繊細な手術になりますので、手術用の顕微鏡を用いたマイクロサージャリーという手法を使って行います。この方法は私たちが30年以上前から行っている方法で、すでに5000例の実績があります。
重瞼術の方法
二重にするためには瞼を開ける時に、皮膚がいつも同じところで折れ曲がるようにしなければなりません。右の図は一重の瞼の断面図ですが、皮膚の下に瞼を閉じる眼輪筋という筋肉があり、その下に瞼板という硬い組織があります。また瞼の上の方には眼窩脂肪があり、それを眼窩隔膜という薄い膜が覆っています。
瞼を開ける時にいつも皮膚を折れ曲がるようにするためには、瞼といっしょに動く部分に皮膚を縫い付けて固定してあげればよいことになります。
目を開ける力が弱い人には、瞼を開ける筋肉を調節して、黒目の露出を大きくする操作をします。その筋肉の先についている、挙筋腱膜という部分に皮膚を固定して二重にします。腱膜前転重瞼術といいますが、黒目が大きく見えますし、二重のラインもくっきり入るようになります。
最後に皮膚を縫合して終わります。
腫れ瞼で脂肪の多い人は、眼窩脂肪や眼輪筋下脂肪を切除してできるだけ改善しますが、皮膚そのものが厚い方は改善には限界があります。


手術後の経過
手術後の痛みは痛み止めを飲めば止まる程度の軽いものです。腫れは術後2~3日目がピークで、内出血で目のまわりが赤紫色になったりします。術後1週間目の抜糸のときは少し黄色くなってきます。2週間くらいで色は消えていきます。
術後1カ月目までは傷が少し赤く、二重の幅も大きく見えて、つっぱり感もありますが、2ヵ月から3ヵ月にかけて急に腫れが引いて、自然 な形に見えるようになります。
注意事項
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手術のあとは家やホテルに帰ったらタオルを水道水で濡らし、硬く絞って1時間くらい瞼を冷やしてください。氷は使わないで下さい。冷水で十分です。冷やすのは2日目までで、3日目からはぬるま湯で温めた方が腫れの軽減に効果的です。
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拭き綿を渡しますので、小さくはさみで切って朝と晩に傷をやさしく拭いて汚れを落としてください。
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傷から血がにじんでくることがありますが、心配要りません。乾いたガーゼで10分くらい圧迫すれば止まります。
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軟膏を出しますので、綿棒の先に少し取り、傷に薄く朝と晩につけてください。これは抜糸まで毎日2回行なってください。抜糸のあとは何もつけなくて結構です。
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手術翌日に目が開けられないくらい紫色に腫れるのは血が溜まっている状態なので、受診してもらい血を出す必要があります。赤く腫れても目が開けば大丈夫です。
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翌日から入浴と洗顔もできます。瞼は柔らかいタオルで静かにやさしく拭いてください。
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1週後に抜糸します。抜糸はチクッとするだけで痛くありません。
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抜糸のあとは目のお化粧は1週間くらい避けてください。こすると二重が緩む事があります。傷以外の部分は手術翌日から化粧してもかまいません。
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腫れている間は左右の二重の幅が違って見える事があります。6ヵ月位経って左右差が目立つようであれば、修正手術も可能です。術後の経過は医師の指示に従って必ず受診してください。その間の再診料は無料です。
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術後に瞼の開け方が左右で違って見える事があります。眼瞼下垂と言って、瞼を開けるメカニズムが故障しているのが、二重の手術をすることによってはっきりしてくる事があるためです。6ヵ月位の経過を見て、気になるようであれば修正手術を行う事ができます。
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皮膚や皮下脂肪が厚い人は術後に固定が部分的に緩んでくる事があります。3ヵ月以内であれば無料で再固定できます。それ以降の緩みに対しては2割程度の金額がかかります。
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二重の幅は最初は大きく見えます。時間とともに狭くなり3ヵ月くらいで落ち着きます。大きな二重にするほど落ち着くまでは大きさが目立ちます。
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かなり大きな二重を希望する場合は皮膚をある程度切除する必要が出てきます。その場合は切開線が長くなります。狭い二重をあとから大きくするのは可能ですが、大きな二重をあとから狭くするのは簡単ではありませんので、よく考えて結論を出してください。
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目頭の間隔が広く、つっぱりも強い人は目頭切開も可能ですが、かなり目つきが変わりますので、手術前に十分検討する必要があります。
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他医で埋没法による重瞼術を受けたあと何年もしてから、瞼に入れた糸が裏側から出てきて眼球に刺さり、角膜を傷つけてくる方が珍しくありません。埋没法は切らないから優れた方法なのではなく、切らなくてもいろいろな問題を起してくることがある方法なのです。
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手術当日のお化粧はファンデーション、日焼け止めなどはつけてきても構いませんが、マスカラは朝から一切しないで来てください。まつげのエクステをされている方は手術前までに外して来てください。
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ごく稀に手術中に目が開けづらくなったり、目の奥に違和感が強く出る人がいます。強直性眼瞼けいれんと言いますが、そのような症状が出た場合は、手術中にけいれんを改善する手術に切り替える場合があります。