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眼瞼下垂

BLEPHAROPTOSIS

眼瞼下垂について

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​当院は1984年、当時北海道大学形成外科講師をしていた初代院長の新冨芳尚によって、「形成外科を基本にした近代美容外科を立ち上げる」という理念のもとに開設されました。私はその理念に共感して1991年に入職し、2代目院長を勤めております。私自身、北大形成外科で手術用顕微鏡を用いる再建外科を行ってきましたが、1987年の米国アラバマ大学留学により本格的な美容外科に触れ、多くのことを学んできました。1988年に帰国してから、そこで学んだ乳房再建と顔の美容外科を、日本人に適した手術法に発展させてきました。乳房再建については当院副院長である矢島和宜が日本を代表する再建外科医として、その後大きく発展させてくれましたので、私は顔と瞼の手術に注力することができました。日本人を含めアジア人の瞼は西洋人とまったく違う形態と美の意識があり、世界の美容外科の中でも独自の分野を形作っています。われわれの持っている形成外科から美容外科に渡る豊富な臨床経験と技術で皆さんのご要望に応えることができたら、これ以上の喜びはありません。

加齢性眼瞼下垂

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眼瞼下垂とは

​年を取って瞼が垂れ下がってくると、視野が狭くなり新聞やテレビが見えにくくなるばかりでなく、頭をぶつけたり、つまずいて転びやすくなるなど危険なことも増えてきます。眼瞼下垂は瞼そのものが開けにくくなることと、皮膚が垂れ下がってくることの二つの要素が重なって起こります。ですから眼瞼下垂の治療は【瞼そのものを上げて黒目を出してあげること】と【垂れている皮膚を処理して目の前にかぶってこないようにすること】、この二つを実現することが目標になります。

眼瞼下垂の症状

眼瞼下垂になると目が開けられないため、眉毛を上げて物を見るようになり、おでこのしわが深くなります。おでこの筋肉は後頭部までつながっていて、いつもおでこの筋肉を緊張させていると、肩が凝ったり頭痛がします。また顎を上げて物を見るようになるため、首の痛みもでてきます。

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眼瞼下垂の治療法は外科手術

眼瞼下垂は年齢とともに少しずつ起こるものですから「年だからしょうがない」とあきらめていたり、眼科で相談しても手術を勧められなかったりなど、適切な治療によって改善できることを知らない方がたくさんいらっしゃいます。実際に、私たちのクリニックで手術を受けた多くの人が「もっと早く手術を受けていればよかった」という感想を述べています。

眼瞼下垂の多くは、瞼を上げる眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉の先に付いている眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)という薄い膜が、本来、瞼の板(瞼板(けんばん))にくっついているのが緩んでしまい、自分では十分に開けられない状態になっています。ですから訓練によって改善することはできません。手術はこの緩んだ膜を適切な位置に固定してあげることが目的になります。

眼瞼下垂は病気ですので、健康保険の適用になります。皮膚を切開したあと、はがれた眼瞼挙筋腱膜を引き出してきて、瞼を上げる力が丁度よくなるように調節して瞼板に固定します。さらに二重(ふたえ)の幅を調節して皮膚を縫合します。二重の幅は患者さんの好みによって広くも狭くもできますので相談の上で決めます。よく一重のままで良いという方がいらっしゃいますが、二重のラインの固定は術後に皮膚が垂れ下がってくることを予防するために行うものですから、長持ちのする結果を得るために重要なポイントです。

瞼を開ける幅はミリメートル単位の調節になり、しかも左右対称にしなければなりません。また二重の幅も左右対称になるように仕上げなければなりませんので、形成外科と美容外科の高度な技術が必要になります。私たちは年間500人以上の方の眼瞼下垂治療を行なっており、日本の形成外科施設の中でもトップクラスの症例数です。

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眼瞼下垂の手術方法

外来手術で局所麻酔で行います。チクッという痛みがあります。手術時間は1時間弱です。皮膚を切開して眼瞼挙筋腱膜を出します。はがれている部分を前に引き出して、瞼板という瞼の硬い部分に縫合します。起き上がって左右の目の開きが十分でかつ対称になったら、余分な皮膚を切り取り、最後に二重になるように皮膚を縫合します。二重にするのは傷を隠せることと皮膚がまた垂れ下がってくるのを予防するためです。瞼の構造は大変デリケートにできていますので、私たちはより繊細な技術で手術を行えるように、手術用顕微鏡を使って手術をしています。また手術中の出血を最小限にできるCO2レーザーメスを用いています。高齢者では血液をサラサラにする抗凝固剤を服用している方がいますが、レーザーメスを用いますので術前の服用を中止せずに手術します。これにより手術時間も短縮できます。平均手術時間は40分です。

​眼瞼下垂手術後の経過

手術後2~3日目がいちばん腫れます。目のまわりが赤や紫色になることがあります。その間は冷水で冷やしてください。3日目以降は温湿布が有効です。しかし極端に冷やしすぎたり温めすぎたりしないでください。やり過ぎは逆効果です。

 

術後7日から10日目に抜糸をしますが、その頃はまだ腫れています。2週間目以降から急に腫れは引いてきますが、1ヵ月目はまだ傷が硬く、突っ張ったように感じます。睫毛周囲の皮膚の感覚もしびれている状態ですが、時間とともに戻ります。本当に腫れが引いて良くなったと感じるようになるには3ヵ月位かかります。

術後1週間目以降は、1ヵ月目、3ヵ月目、6ヵ月目とフォローしていきます。術後に左右差が目立ち修正が必要になるのは5%位の方ですが、追加の手術により改善することができますので心配要りません。

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眼瞼下垂手術の注意事項

  1. この手術はいちばん人目にふれる瞼を手術するわけですから術後の腫れや色が取れるまでの2週間くらいはとても気が重い期間です。しかし、腫れは必ず引きますし、目を開けるのがとても楽になりますのでほんの少しの辛抱です。気になる方は手術の後にサングラスをかけると良いでしょう。

  2. 手術の後は家で、水道水でタオルを濡らし硬く絞って、1〜2時間冷やしてください。氷で冷やし過ぎるのは禁物です。冷水で十分です。冷やすのも最初の2日間で止めて、3日目以降はぬるま湯で温湿布をするとよいでしょう。

  3. 手術当日は目の部分は洗えません。拭き綿を渡しますので、小さくはさみで切って、朝と晩の2回、静かに傷の汚れを拭いてください。消毒は不要です。

  4. 軟膏を出しますので、綿棒の先にほんの少しつけて、朝と晩、傷に薄く塗ってください。これは抜糸に来るまで、1日2回続けてください。

  5. 手術の次の日から顔を静かに洗い、入浴もできます。

  6. 抜糸は術後7日目から10日目にします。

  7. 瞼のお化粧は術後2週間は控えてください。抜糸のあとは傷の部分は柔らかいタオルでやさしく拭いてください。こわがって拭かないと、垢だらけになります。

  8. 瞼は左右の開け方が1mmでも違うと不ぞろいに見えます。手術直後はきれいに合っていたのに、術後に再度どちらかの目がまた下がってくる事もあります。ですから術後の診察は1ヵ月目、3ヵ月目、6ヵ月目と必ず受けてください。必要な場合は再度手術をして合わせる事ができます。この場合も保険で治療できます。

  9. 心臓や脳の病気で、坑凝固剤(血をさらさらにする薬)を飲んでいる方は、服薬を止めなくても結構ですが、内出血でかなり紫色になるかもしれません。それでも2~3週間で色は取れます。

  10. 術前の血圧測定で収縮期血圧が200以上ある場合は、手術を中止にすることがあります。術後出血の可能性が高くなるからです。内科で十分に血圧のコントロールがつけば手術できます。

  11. 術後に今までかけていた眼鏡の度が合わなくなることがあります。黒目にかかっていた瞼が上がるため、眼球の曲率が変化するためです。術後1~2ヵ月頃に眼科で再度検眼してもらい、レンズを合わせてください。

  12. 術後は瞼が腫れて物が見えづらくなることがありますので、交通事故防止のため手術当日の車の運転はしないでください。

  13. 手術翌日に瞼が紫になって目が開けられないくらい腫れたら、受診してください。中に血がたまっているためで、傷を開けて取り出す必要があります。​

  14. ごくまれに手術後に目が開けづらくなったり、目の奥の違和感が強くなる人がいます。これは眼瞼痙攣といい、術前に隠れていた病気が出てくることがあるためです。このときには新たな治療が必要になることがあります。

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​眼瞼下垂についてより詳しく解説

眼瞼下垂特設サイト

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