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Breast

乳頭再建

乳頭再建とは

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乳頭再建とは、乳がん治療により乳房を切除した後、乳房再建手術を経て新たに形成されたバストに乳頭(乳首)をつくる形成外科手術のことです。乳頭があるかないかは、見た目の自然さや左右差の印象に大きく関わるため、再建バストの完成度を高める重要な工程となります。視覚的な満足度を高め、精神的にも「自分の身体を取り戻した」と感じるための大切な一歩です。

なぜ乳頭再建が必要なのか

乳房再建によってふくらみが戻っても、乳頭や乳輪がないと「のっぺりとした印象」で違和感を覚える方も多くいらっしゃいます。乳頭再建は単なる見た目の装飾ではなく、鏡を見るたびに感じる喪失感をやわらげ、再び自分の身体と向き合えるようになるための心理的な役割も果たします。また、パートナーとの関係や着替え・入浴時の自信回復にもつながることがあります。

再建のタイミングと流れ

乳頭再建は、乳房の再建手術が終わってから数ヶ月経過し、バストの形状が安定してから行います。一般的には再建から3〜6ヶ月程度が目安となり、以下のような流れで進行します。

1.診察・カウンセリング

 バストの形・位置・左右の乳頭とのバランスを確認し、再建法を選択します。

2.乳頭再建術の実施

 局所麻酔で日帰り手術が可能です。術式により所要時間は30〜60分程度です。

3.乳輪再建(必要に応じて)

 乳頭の周囲に色味や形を整える乳輪再建を後日行うことがあります。

乳頭再建の方法

当院では、以下のような再建方法から、患者さまのご希望や体の状態に応じて最適な術式を選択しています。

皮弁法(乳頭の立体形成)

乳房再建部の皮膚を一部切り取って立ち上げ、立体的な乳頭を形成する方法です。

  • 自然なふくらみがつくれる

  • 自家組織なので異物反応がない

  • 術後数ヶ月でやや高さが低くなる傾向あり

対側乳頭の移植(乳頭移植法)

反対側の正常な乳頭の一部を切り取り、再建側に移植する方法です。

  • 非常に自然な質感と色調が得られる

  • 片側の乳頭を小さくしてもよい方に適している

  • 術後に左右差が生じる可能性もある

刺青(タトゥー)による色調再建

乳頭の立体感は必要ない場合や、皮膚の状態的に手術が難しい方には、医療用色素で乳頭・乳輪の色を再現する方法もあります。

  • 手術に比べて体への負担が少ない

  • 色は徐々に薄くなるため再施術が必要になることもあり

  • 単独でも、皮弁法後の補助的施術としても使用可能

当院の乳頭再建の特徴

当院では、形成外科専門医が患者さまのご希望とバスト全体の調和を考慮し、自然な位置・形・左右バランスにこだわった乳頭再建を行っています。術前の写真や立体シミュレーションを活用し、完成イメージを共有したうえで手術に臨んでいただけます。また、術後の乳頭の高さや色の維持にも配慮し、必要に応じて乳輪の色素再建(医療用タトゥー)も組み合わせてご提案しています。

術後の経過と注意点

乳頭再建の術後は、創部を保護しながら圧迫を避けて過ごしていただきます。数日〜1週間ほどで日常生活には支障がなくなり、抜糸は術後5〜7日目に行うことが一般的です。形成した乳頭のふくらみは時間とともにやや低くなりますが、手術時に適切な高さを設定することで自然な仕上がりを維持できます。術後数ヶ月間は、摩擦や圧迫を避けた下着の使用が推奨されます。

合併症と再建後の変化

乳頭再建は比較的安全性の高い手術ですが、以下のような合併症が稀に起こることがあります。

創部の感染や出血

形成した乳頭の高さの減少

傷跡の赤み・肥厚

色調の左右差(乳輪再建時)

当院ではこれらのリスクを最小限に抑えるため、術中・術後の衛生管理と定期的な経過観察を徹底しています。

よくあるご質問と当院の対応

「立体感はどれくらい保てますか?」「左右差が気にならないようにできる?」「術後に色が薄くなった場合は?」といった疑問を多くいただきます。そうしたご不安には術前カウンセリングの段階で丁寧にご説明し、術後も必要に応じてタッチアップ(修正)や色素補強を行い、満足のいく仕上がりを目指しています。

あなたの再建を、より自然で完成度の高いものに

乳頭再建は、乳房再建の最終段階でありながら、その完成度や満足度を大きく左右する重要な手術です。当院では、見た目の自然さだけでなく、患者さまの「自分らしさの回復」という思いにも真摯に寄り添いながら、最適な再建をご提案しています。再建をより美しく、より自然に。あなたの笑顔のために、私たちが全力でサポートいたします。

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