
Skin
脂肪腫
脂肪腫とは

脂肪腫(しぼうしゅ)とは、皮下にできる良性の軟部腫瘍で、脂肪細胞が過剰に増殖してできた柔らかい“しこり”のようなものです。多くは痛みを伴わず、ゆっくりと時間をかけて大きくなる傾向があります。脂肪腫自体は良性ですが、似たような腫瘍で脂肪肉腫という悪性腫瘍があり、放置すると生命予後に関わる場合も あるので注意が必要です。大きさが変化していたり、違和感がある、圧迫感がある、などの場合には早めの受診をお勧めします。
なぜ脂肪腫ができるのか
脂肪腫の正確な原因ははっきりしていませんが、皮下の脂肪細胞 が局所的に異常増殖することで生じるとされています。遺伝的な体質やホルモンの影響、あるいは軽微な外傷などが発生のきっかけになることもあります。中年以降に多く発生しますが、若年層でも見られることがあり、体質によっては複数個できる方もいます。
脂肪腫の主な特徴
脂肪腫には次のような特徴があります。
皮膚の下にやや柔らかいしこりとして触れる
押しても痛みはほとんどない
通常は1〜5cm程度だが、10cm以上になることも
ゆっくりと徐々に大きくなる
皮膚と可動性があり、つまむと動く
体のどこにでもできる可能性がありますが、特に首、背中、肩、腕、太ももなど皮下脂肪の多い部位に好発します。
痛みを伴う脂肪腫について
一般的な脂肪腫は痛みを伴いませんが、中には「血管脂肪腫」といって血管成分を多く含んでいるタイプや、神経に近い位置にできた脂肪腫では、圧迫による痛みや不快感を訴える方もいます。このような場合、単なる見た目の問題ではなく、生活の質に影響を及ぼすため、手術治療が勧められます。
脂肪腫と間違えやすい疾患
脂肪腫に似た皮膚下のしこりには、以下のような疾患もあり、鑑別が必要です。
-
粉瘤(アテローム):皮膚に開口部があり、内容物がたまる良性腫瘍
-
神経鞘腫:神経の周囲にできる良性腫瘍で、押すとピリピリと痛むことがある
-
悪性軟部腫瘍:急速に大きくなる・硬い・皮膚に癒着している場合などは注意が必要
当院では、触診や必要に応じて超音波検査・病理組織検査などを活用し、診断の精度を高めています。
放置しても大丈夫?
良性の脂肪腫は命に関わることはありませんが、そもそも良性かどうかは切除をしないとわかりません。特に以下の症状があるような場合は手術治療が望ましいと考えられます。
-
美容上気になる(特に顔や首、腕など)
-
服に擦れて違和感がある
-
痛みや圧迫感がある
-
徐々に大きくなり、日常生活の支障になる
-
悪性との区別を明確にしたい
特に大きくなってからの手術は、切開範囲も広くなり傷跡が目立ちやすくなることがあるため、早期の受診が推奨されます。
脂肪腫の治療法:外科的切除
脂肪腫の根本的な治療法は、外科的に完全に切除することです。薬や注射で治療することはできず、放置していても自然に消えることはありません。
-
局所麻酔下での日帰り手術が基本
-
切開し、脂肪腫とその被膜を丸ごと摘出
-
摘出後は丁寧に縫合し、術後1週間程度で抜糸
-
病理検査により悪性の有無を確認
形成外科の視点から、できる限り傷跡が目立たないように切開の方向や縫合法に配慮しています。
術後の経過と注意点
術後は軽い腫れや内出血が出ることがありますが、多くの場合1〜2週間で落ち着きます。大きい脂肪腫や深部にあるものでは、術後に皮下に液体(血腫や漿液)がたまることがあり、ドレーン(排液管)を用いる場合もあります。抜糸後も定期的に診察を行い、再発や創部トラブルの有無を確認します。
保険適用と費用について
脂肪腫の切除は医療保険が適用されます。診察、手術、病理検査を含めて保険診療内で対応可能であり、自己負担を抑えた形で確実な治療を受けていただけます。ご希望に応じて、傷跡に配慮した自費診療プランのご案内も可能です。
よくあるご質問と当院の対応
「大きさによって切除法は変わる?」「傷跡はどの程度残る?」「入院が必要ですか?」といったご質問に対して、当院ではカウンセリング時にしっかりと説明し、不安なく治療に臨んでいただけるよう心がけています。手術後のケアや仕事・生活への影響もご相談いただけます 。
気になるしこりは早めの診断を
脂肪腫は良性腫瘍の中でも頻度の高いものですが、見た目が似た別の腫瘍や、まれに悪性の可能性を含むケースもあります。「いつの間にかできていた」「少しずつ大きくなっている」など、気になる皮下のしこりがあれば、早めの受診をおすすめします。当院では、専門的な知識と技術で、的確な診断と安心できる治療をご提供しています。