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Eye

くまの手術(下眼瞼形成術)

下眼瞼形成術

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手術の種類

いわゆるクマ取りの手術です。高齢になると下まぶたの膨らみや、しわが気になってきます。
手術の方法は大きく分けてふたつの方法があります。経結膜法といって、まぶたの裏側から切開する方法と、下まぶたのまつ毛の直下から皮膚を切開する方法です。

経結膜法の問題点

最近、経結膜法で手術を受け、下まぶたの凹凸やしわを気にされて受診する方が多くいます。手術前の謳い文句では、皮膚に傷がつかないのでよい、と言われていますが、われわれの考えは全く違います。

経結膜法では手術の視野の狭さから脂肪の処理が不十分であったり、余った皮膚の処理をしないのでしわの改善ができません。とくに高齢者の治療では皮膚の処理が必須ですので、皮膚からのアプローチが適しています。

高精度な手術技術

われわれは顕微鏡を使って手術をしますので、皮膚の傷跡がほぼ見えないくらいきれいに仕上げることができます。しかも皮膚から行くと、視野が広く、脂肪の移動や切除などの微細な調整が確実にできます。しかもCO2レーザーメスを使うため出血が少なく、脂肪を繊細に削ることができます。最後に皮膚に緊張をかけてしわを伸ばすこともできますので、非常に高い改善効果を出すことができます。

手術の安全性

もうひとつ皮膚からアプローチする方法の利点は、手術の安全性です。もし術後出血があっても傷を開けば全体の状態がすぐ分かり、早い対処ができます。

手術の方法

脂肪注入をする場合

下まぶたのたるみの下、つまり頬骨の部分に凹みがある場合は、腹部や太ももの内側から脂肪を吸引して、それを特殊な針で頬骨の上や皮膚の下に注入して凹みを修正します。下まぶたのたるみが取れてすっきりしても、頬骨の部分が凹んでいるとのっぺらぼうの印象になります。頬部の軽い膨らみがあるとハリが出て若々しく見えます。これは下まぶたを切開する前に行います。おなかや太ももの内側を3mmくらい切開してそこから特殊な針で脂肪を吸引します。傷跡はほとんど目立たなくなります。頬に脂肪を注入するのも細い針で行いますので、傷あとは残りません。

 

手術は局所麻酔で行います。注入する量も片側1cc程度です。これ以上入れると笑った時に盛り上がったり、できものができているように見えます。あくまでも自然な仕上がりになるように留意して手術をしています。

脂肪注入をしない場合

下まぶたのまつ毛のすぐ下を切開して、目尻にも少し切開を延長します。筋肉の下をはがして、眼窩という骨の縁を出します。下まぶたの内側の溝は皮膚が骨にくっついている部分で、これを丁寧にはがします。溝が十分に持ち上がったら、次に膨らんだ脂肪の皮膜を切開して脂肪を引き出します。引き出した脂肪を先ほどはがした溝の下に移動して骨の膜に糸で固定します。ちょうど山をくずして谷を埋めるような操作になります。これによって下まぶたの内側の溝が浅くなります。

 

次に外側の脂肪をCO2レーザーメスで切除します。次に40代以上の方は外眼角固定術と言って下まぶたの縁に緊張を加える操作をします。これによって皮膚切開法で欠点といわれる、下まぶたの外反を予防します。次に筋肉を目尻の外側の骨膜に固定して皮膚のしわを伸ばします。全体がやや凹んだ曲面に仕上げることによって、スッキリ感を出し、見かけの若さを取り戻します。余った皮膚を適量切除し、皮膚を縫合して終了します。皮膚に緊張をかける操作をするために、術直後は少しつっぱり目の状態になりますが、数週間で位置が下がってきてちょうど良い形になります。

3年前からベクトラという3Dの写真を撮って活用しています。これを術前と術後に撮って、それを比較することにより細かな改善点を立体的に評価できます。実際に患者さんに見てもらうことにより、満足度も向上しました。

注意事項

1.手術のあとは安静に

手術のあとは家やホテルに戻って、早く休んでください。術後の安静がこの手術ではとくに大切です。頭を下げたり、重いものを持ったりすると、血圧が上がり、出血する事があります。中に出血すると白目が赤くなり、皮膚も紫色になって腫れますし、その後に傷の引きつりを起してくる事がありますので、くれぐれも手術当日の安静が大事です。 

2.二日間は水で冷やす

手術当日と次の日までは水道水でタオルを濡らして硬く絞り、目を冷やしてください。氷を使う必要はありません。

3.傷の処置

拭き綿を渡しますので、小さくちぎって朝と晩に傷をやさしく拭いてください。その後に軟膏を綿棒にとって薄くつけておいてください。これも1日2回、抜糸まで続けてください。ただし軟膏をあまりたくさんつけると目に入って物がかすんで見えますので、少量で結構です。

4.三日目以降は温める

3日目以降は冷やすのではなく、ぬるま湯の温かさで軽く温めてください。熱すぎてもいけません。1 日3回程度で結構です。

5.術後1週間目で抜糸

抜糸はチクッとするくらいで、それほど痛くありません。

6.術後のフォロー

その後定期的に診ていきますので指定された日に受診してください。再診料はかかりません。

7.他院で手術された方へ

他の病院で瞼のシワにヒアルロン酸などを注射して、皮膚がでこぼこになって来る方がいます。手術を受ける場合は、ヒアルロン酸注射をしたクリニックで手術前に溶かしてもらってきてください。また目の下の凹みの部分に脂肪注入を受けて来られる方で、やはり皮膚の凹凸が目立つ場合があります。これを手術で治すのは大変困難です。切らなくて注射で簡単にできる良い方法だ、と単純に思ってこういう治療を受けると、後で取り返しがつかない結果になる事がありますので注意してください。

合併症

血腫

出血して中に血の固まりができる事があります。多い時は目が開けられないくらい腫れますので、その場合は傷を開けて出さなければなりません。めったにないことですが、術後の安静が大事という理由のひとつです。 

引きつり

もし血腫ができた場合は術後に瞼の引きつりが出る事があります。この場合は経過を見て、修正手術が必要になることがあります。

感染

目の回りの手術はめったに化膿しませんが、ごく希にあります。その時は傷を開けて、膿を出す必要があります。これも適切な処置をすれば必ず治ります。

結膜の腫れ

これは術後に比較的よく見られる現象です。白目の下の部分に透明な液体がたまり、涙目のように見えます。これは白目の腫れで、何もしなくても時間とともに自然に吸収されていきます。人によっては数カ月かかる事もあります。

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